過去ログ - 洒落たバーでカシオレを頼んだ男の話
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3: ◆9l/Fpc6Qck[saga]
2016/02/08(月) 19:37:55.10 ID:5ewYfQ9y0



その時の僕は、今と同じくらい情けなかったと思う。

今ここに立っている店の向かいに、一軒の居酒屋が建っている。
そこから僕たちは出てきた。務める営業会社の付き合いだった。
ほんの些細なことから“上司の酒”を浴びるほど飲む羽目になった僕は、もう限界だった。

ふらつく僕に同僚が手を貸そうとしてくれたが、迷惑はかけられない。
次の店で標的になるのは、彼らのうちの誰かなんだ。
そう思い、僕は一人で帰ろうと最後の力を振り絞って断りを入れた。


彼らの背中を見送ったあと、僕はすぐさま道の上に伏した。
吐しゃ物がコンクリートの上に散らばるのを見て、すべてがどうでもよくなった時のこと。


その人は白いハンカチを持って現れたんだ。






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