過去ログ - 【ｱｲﾏｽ】ホオジロの夢 -SS速報VIP

過去ログ - 【ｱｲﾏｽ】ホオジロの夢

↓ 1- 覧 板 20

1: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2016/02/08(月) 21:21:00.46 ID:xRO/rXtIo
・地の文
・そんなに長くならない予定
・ゆっくり行きます

よろしければお付き合いください

SSWiki : ss.vip2ch.com

2: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2016/02/08(月) 21:23:16.65 ID:xRO/rXtIo

「うーん、元気なのはいいことだけど、もうちょっと音程に気を付けましょうね」

おそらく、音楽教師としてはごく当たり前の発言だったのだろう。
それくらいの分別がつくくらいには、自分も成長している。

3: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2016/02/08(月) 21:25:38.25 ID:xRO/rXtIo

「やーい、音痴ー」

どこからか飛んできたその声は、瞬く間に教室中に広がっていった。
教師も、この段階になって自分の失敗を悟ったのだろう。

4: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2016/02/08(月) 21:26:30.04 ID:xRO/rXtIo

それから数年がたったある日のこと。
俺はこれといった目的もないまま、街を歩いていた。
それは、逃避と言って差し支えない行為だった。

5: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2016/02/08(月) 21:28:03.73 ID:xRO/rXtIo

歌は、公園から聞こえてきた。
俺よりも年上に見える女性と、小さな女の子。
女の子と同じくらいの子どもたちと、その親だろうか。
そこでは、小さなコンサートが開かれていた。

6: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2016/02/08(月) 21:29:08.72 ID:xRO/rXtIo

「歌、好きなのね」

「うんっ！」

7: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2016/02/08(月) 21:29:43.10 ID:xRO/rXtIo

「あなたには、みんなを笑顔にする力があるのかもしれないわね」

「？　よくわかんないや」

8: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2016/02/08(月) 21:32:03.44 ID:xRO/rXtIo

***************************

「……………サー…ん、……デュー……さん」

9: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2016/02/08(月) 21:33:48.20 ID:xRO/rXtIo

聞きなれた声がする方に顔を向けると、少し心配そうな顔の少女が立っていた。
天海春香。
俺が所属する事務所のアイドルで、俺の担当アイドルでもある。
しかし、なぜ彼女が心配そうな顔をしているのか。

10: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2016/02/08(月) 21:35:17.69 ID:xRO/rXtIo

「……ああ、ちょっと無理な体勢だったからだろ」

ただ何となく、正直に言うのが照れ臭くて誤魔化してしまった。
今まさに夢を叶えようとしている少女に聞かせる話でもないだろう。

11: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2016/02/08(月) 21:36:25.20 ID:xRO/rXtIo

「さて、と」

ようやく頭がすっきりしてきた。
春香がここにいるということは、レッスンは無事に終えてきたということだろう。

12: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2016/02/08(月) 21:37:37.32 ID:xRO/rXtIo

「でも……」

とはいえ、結果が出ていないということが彼女の声を暗くさせていた。
そうさせた責任は俺にあるわけで。

13: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2016/02/08(月) 21:41:27.31 ID:xRO/rXtIo

ちょっと考え込むそぶりを見せた春香だったが、答えを出すのにさして時間はかからなかった。

「私、まだまだなんだなぁって思いました。まだちゃんとアイドルになれてないっていうか……」

14: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2016/02/08(月) 21:42:49.84 ID:xRO/rXtIo

「何でしょう？　考えれば考えるほど、私って普通な気がしてきます……」

「確かに、歌もダンスも普通だな。容姿は可愛いと思うけど」

15: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2016/02/08(月) 21:44:27.75 ID:xRO/rXtIo

「『色々と足りてないんだけど、なんか印象に残ってるんだよね』だってさ」

「へ？」

16: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2016/02/08(月) 21:47:41.24 ID:xRO/rXtIo

「そうだな。だから今週末、オーディション入れといた」

「ふぇっ!?」

17: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2016/02/08(月) 21:49:47.87 ID:xRO/rXtIo

「うーん……」

一方の春香は唸っていた。
今一つ信じきれないと、表情が物語っている。

18: ◆Hnf2jpSB.k[saga　sage]
2016/02/08(月) 21:53:23.20 ID:xRO/rXtIo
本日は以上で

お読みいただけたなら幸いです

19:名無しNIPPER[sage]
2016/02/08(月) 21:58:56.07 ID:yPADznYXo
乙です

20: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2016/02/11(木) 18:24:35.80 ID:JYv0zBhAo

***************************

しゅんとした顔の春香を乗せ、車を走らせる。

21: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2016/02/11(木) 18:25:13.62 ID:JYv0zBhAo

「ですよね!?」

返ってきた声は、意外なほどしっかりとしていた。

66Res/37.82 KB

↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。

VIPサービス増築中！
携帯うpろだ|隙間うpろだ

Powered By VIPservice