過去ログ - 綾乃「恩人が分かんない稚内なのよ」
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11: ◆okE7RBemauzk[sage saga]
2016/02/09(火) 22:03:00.66 ID:ZF+BJpS80
「どうやった、綾乃ちゃん」
綾乃は生徒会室に帰って一番に千歳に聞かれた
「ダメだった」
甲斐性なしといった感じで首を振る
「どうしたんですか、杉浦先輩」
1年生の生徒会大室櫻子と古谷向日葵が話を聞いていた
「私を助けてくれた人が分からないのよ」
藁をもすがる思いで訊いてみることがした。…あまり頼りにはしていないけれども
「そんなの気にしないでいいじゃないんですか」
そうだった、彼女はこういう性分だったと、訊いたことを後悔する
「櫻子、貴方はそんなことを言ってるから…」
向日葵は櫻子を呆れた目線で見ていた
「まあ、分からないと気になるっていうのはあるけど…」
櫻子は腕を組み始めたのを向日葵がみっともないと注意した
「でも、知っている人の中では相当数絞れたのではありませんか?」
長考した後に、向日葵が口を開く、それに対して千歳が
「そうやなぁ、歳納さん・船見さん・千鶴・大室さん・古谷さん・会長さん・西垣先生でもないんやったら、訊くべき人は限られているんと違う?」
という。だが、綾乃にはすっかり思い当たる人物はいないようだった
「ええ!?でも、あの二人って、杉浦先輩と交友関係ないよね」
思い浮かべてもその人物が浮かばない綾乃は疑問符が頭の中を駆けまわる
「失礼ですわよ、櫻子。しかも、交友関係がなくても人が倒れてたら助けると思いますわよ、あの二人」
思わず向日葵が櫻子の頭を叩く
「そうだ、向日葵。いいこと思いついた」
叩かれた衝撃が原因か不明だが、櫻子の頭には電球が灯っていた
「あなたの発案したものでこれまで良い思いをした記憶はないですわね…」
向日葵は良く知っていた。笑顔で櫻子が発案したものにはろくなものがないことを。そして、それは大概、誰かを巻き込むものだということを…
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