16:名無しNIPPER[saga sage]
2016/02/10(水) 05:36:09.25 ID:/p0Ll9udO
しかし、僕たちはなにを話したらいいか分からなくて、少し時間を持て余した。
無言の時間に息苦しさを感じて、カレーパンマンが僕に話しかける。
「そういえば、さっきジャムおじさんになにか話しかけようとしてたよな。
なんか大切な話だったのか?」
「それが、僕にもよく分からなくって」
「ふーん。どんな話か分からねぇけど、俺でよければ聞くぜ」
「うん……」
僕はなぜかカレーパンマンに話すのを、ちょっとためらった。
しかし、僕はなんとかたどたどしい言葉を繋げていく。
「それでね、カレーパンマンの声とみんなの楽しそうな声が聞こえたら、僕は……」
「寂しくなったか?」
僕は驚いてカレーパンマンの顔を見る。
「どうして分かったの?」
「そりゃーよ、まぁ俺だってパン工場で暮らしてた頃があったからな」
「そうなの?」
「まぁな、こんな小さい時だけだけどな」
カレーパンマンは笑いながら指先を丸めて、豆粒ぐらいの大きさにした。
僕はまた驚いて聞いた。
「そんなに小さかったの?」
「まさか。冗談だよ、冗談。アンパンマンにはやっぱり分からねぇか」
「うん……」
カレーパンマンは楽しそうに笑う。
僕は恥ずかしかったけど、カレーパンマンの笑顔を見ていると安心した。
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