19:名無しNIPPER[saga sage]
2016/02/10(水) 05:40:35.16 ID:/p0Ll9udO
「カレーパンマン?」
「ああ、いや、まーさ」
カレーパンマンは誤魔化すように、頭をかいた。
「あいつもなにするかわかんねぇとこあるけど、優しい奴だし……。
そもそもばいきんまんのせいだしな!
まぁ、大丈夫だろ」
「そうかな」
「そりゃ、大丈夫に決まってんだろ。
俺たちの妹なんだぜ?」
「うん」
「いつか悪い心も無くなって、きっと仲良くなれるよ。
だからあんまり気にすんな!」
「うん……」
僕がふにゃふにゃした声で答えるので、カレーパンマンは僕の肩を叩いた。
「お前は正義の味方、アンパンマンだろ?
そんな弱そうな顔をしてたら、みんなに笑われるぜ。
ヒーローは強くカッコよくなくっちゃさ」
カレーパンマンは力強く笑う。
僕は、カレーパンマンが強い理由が分かった気がした。
強くてカッコよくて、僕もそうなれるかなぁとぼんやり思った。
「僕、カレーパンマンみたいになりたいなぁ」
「へっ?なんだよ、やめろよ」
カレーパンマンは嬉しそうに笑った。
「でもさ、俺には俺の良さがあるし、お前にはお前の良さがあるんだ。
俺は優しいアンパンマンも悪くないと思うぜ」
「うん、ありがとう」
「じゃあ、俺は新しい顔を取ってきてやるから、大人しくしてるんだぜ」
「うん」
部屋を出ていくカレーパンマンの後ろ姿は、とても強そうでカッコよかった。
僕は気がつくと心がとても温かくなっていて、熱の辛さもあまり感じない。
やっぱり僕は幸せなんだなぁと、じんわり思った。
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