20:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/10(水) 05:43:37.98 ID:/p0Ll9udO
カレーパンマンがパトロールに出掛けてくれてからしばらく経って、外のお日様が傾き始めた頃。
窓ガラスを通って、オレンジ色の光が僕の部屋の中を照らした。
まるでオレンジジュースの中を泳いでいるような綺麗な光を、僕はぼんやりと眺めていた。
こんなにゆっくりしたのは久しぶりで、僕はどうしたらいいか分からなかったから、今はただ夕日に包まれていたいと思った。
そんな僕の部屋のドアを叩く、控えめな音が響いた。
「アンパンマン、調子はどう?」
扉は静かに開き、バタコさんがこそこそと顔を出す。
「休んでいたら元気になりました。カレーパンマンも話を聞いてくれましたし」
「あら、どんなお話をしたのかしら?」
「それは……秘密なんです」
「あらあら」
バタコさんはにこにこ笑って、部屋の扉を閉めた。
バタコさんの手にはお盆が乗っていて、その上にほかほかのご飯が乗っている。
「それ、バタコさんのご飯ですか?」
「ううん……そういうわけじゃないんだけど」
なにか説明しづらそうに、バタコさんはお盆を僕の足の上に置いた。
ベッドの上に横たわる僕は、布団越しにご飯の重みを感じる。
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