37:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/10(水) 06:14:59.91 ID:/p0Ll9udO
ここからでも、ばいきんまんが青ざめている様子が見えた。
ばいきんまんは強がって鼻を鳴らして、どこかへ飛んでいってしまった。
「カレーパンマン、それってどういうこと?」
僕は聞かずにいられずに、飛んできたカレーパンマンを睨み付ける。
「どうもこうも、そのままの意味だ。お前は死んだんだぜ、アンパンマン」
「なにを言ってるのか分からないよ」
「分かるはずだ。お前は自分の意思で、正義の味方をやめたんだよ。
だから、もう正義のヒーローアンパンマンはいない。
お前は自分が誰だかも分からなくなって、なにが嫌いかも好きかも分からなくなって、なにをしたいのかも分からなくなってる。
違うか?」
「それは……」
僕は言い返せる言葉を思い付かなかった。
その代わり、僕は的はずれな言葉を吐き散らす。
「それなら……僕は悪いことはしちゃいけないっていうの?
どうして僕は悪いことをしたらダメなの?」
「それは、アナタがそう望んでいたからですよ」
しょくぱんまんは僕から距離をとって、空に浮かんでいる。
「アナタは強く、そして優しくいようとした。
でも、それをやめてしまったから、アナタは死んだんです」
「違う……僕は……」
僕の中で、灰色の炎が燃え上がった。
「僕は望んでいたことなんかなかった。
みんなが望んでいたからそうしていただけだった。
僕は強くなんかなりたくなかったんだ!」
僕はカレーパンマンに力の限り殴りかかった。
少し間を置いて、カレーパンマンが地面に叩きつけられる音がする。
「誰かを傷つける力なんて、僕はいらなかった!
なのに……どうして僕はばいきんまんに恨まれなきゃならないの?
どうして、ロールパンナちゃんに僕が憎まれなきゃならないの?
僕は一生懸命みんなを助けてきたのに、どうして僕ばかり酷い目にあわなきゃいけないんだ!」
僕はしょくぱんまんも蹴り飛ばした。
「僕は……必死でみんなを助けてきたのに……」
すると、地面の方から聞き慣れた声が響いてきた。
「アンパンマンは、見返りが欲しくて人を助けてきたのかい?」
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