46:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/10(水) 06:31:02.15 ID:/p0Ll9udO
おまけ
色とりどりの花が咲く野原の隅には、ベンチの代わりのように丸太が一本置いてあった。
私とクリームパンダちゃんは丸太に並んで腰かけて、風にふわふわ揺れる花びらを見ていた。
「綺麗なお花だねー!」
「そうね!クリームパンダちゃん、お花の冠をつくらない?」
「うん!」
クリームパンダちゃんはピョコンと丸太から飛び降りて、お花の中から真っ先に黄色の花を選んだ。
その花は温かい光を閉じ込めたような、お日さまの色をしている。
「これ、メロンパンナおねえちゃんみたい!」
元気よく笑って、クリームパンダちゃんは花を私に手渡した。
「わぁ、ありがとう!じゃあ、黄色のお花で冠を作ろっか」
「うん!僕いっぱい集める!」
威勢よく花畑を走り回って、クリームパンダちゃんは黄色の花を摘んでいた。
クリームパンダちゃんの左手で、黄色の花束がせわしなく揺れる。
しかし、すぐになにかを思い出したように、クリームパンダちゃんは花畑の中心で立ち止まった。
「ねぇ、メロンパンナおねえちゃん」
「なぁに?」
「あのさ、僕たちこんなことしてていいのかな?」
私は少しギクッとして、取り繕うように笑った。
クリームパンダちゃんの質問はもっともで、私たちだって本当は街の修理に向かわないといけない。
この間の事件の傷はまだ癒えていなくて、パン工場もつぎはぎだらけだった。
けれど、だからこそ私はクリームパンダちゃんとこの花畑に来たんだ。
「あのね、クリームパンダちゃん。街の様子を見てきっと不思議に思ったと思うけど……」
「不思議なんかじゃないよ!またばいきんまんの仕業でしょ!?」
なんとも言えずに呼吸を浅くする私を見て、クリームパンダちゃんは苛立ちを込めた声で話す。
「本当にばいきんまんって酷いよね!あんなに街を壊したりして、もうやんなっちゃう!
アンパンマンだってきっと」
「あのね!」
どんどんクリームパンダちゃんの想像がそれていくのが耐えられなくて、私は大声を張り上げた。
そばの大きな木で休んでいた鳥が、びっくりして空へ羽ばたいていく。
「お、おねえちゃん?」
「あのね、クリームパンダちゃん……驚かないで聞いて欲しいんだけど……」
私は大きく息を吸い込んで、決意をゆっくり固めてクリームパンダちゃんに話した。
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