過去ログ - ジャムおじさんの息子
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6:名無しNIPPER[saga sage]
2016/02/10(水) 05:07:31.69 ID:/p0Ll9udO
ふと呼び止められて、僕たちはちびぞう君の家の方へ振り帰る。
すると、中に入ったはずのでかこ母さんが扉の前に立っていた。


「ごめんなさいね、ちびぞうがアンパンマンに会いたいって」

「ええっ!僕たちは!?」


かばお君が戸惑いながら問いかけると、でかこ母さんは気まずそうに首を横に振った。


「本当にごめんなさい。アンパンマンと話がしたいんだって」

「そんなぁ……」


うさこちゃんとかばお君が泣きそうになっているので、僕はまた慌てて二人に言った。


「なにか困っていることがあって、僕に相談したいのかもしれないよ」

「それなら僕たちだって話を聞きたいよ!」

「そうだね。でも、ちびぞう君は、かばお君とうさこちゃんには心配をかけたくないのかもしれないし」

「私たちはもう心配しているわ!」

「うーん、そうなんだけど……」


うまく説明出来ない僕の隣で、でかこ母さんが頭を下げた。


「ごめんね。私も言い聞かせようとしたんだけど、とても真剣な顔をしてたのよ。
どうしてもアンパンマンにしか話せないみたいなの」

「だけど……」


ちょっと泣きそうな二人と目線を合わせて、僕は二人の頭を撫でた。


「じゃあ、僕はちびぞう君と会ってきて、ちびぞう君がどんな様子だったか教えるよ。
だから、少し待っててくれないかな」

「うん……分かった……」

「それなら、私が作ったシフォンケーキがあるから、一緒に食べて待ちましょうか」

「本当!?」


かばお君達はぱーっと顔を輝かせて、でかこ母さんとリビングの方へ歩いていった。


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