34:名無しNIPPER[saga]
2016/02/12(金) 20:30:40.87 ID:6mipFv4H0
  
 ライブまでの2週間、その間にも雪歩の口から何回か「愛してる」という言葉が出る事があって、その度にボクは剣で突き刺される様に心が痛んだ。 
 曖昧な返事しか返せないボクを疑わず、眩しい笑顔を返してくれる雪歩。その笑顔を見ることさえ辛かった。 
 でも、その痛みが雪歩に本当の気持ちを告白するという決意をより一層固めてくれた。 
  
 そしてライブの翌日、早速ボクは「大事な話があるんだ。」と電話で伝えて、雪歩を例の公園に呼び出した。 
  
  
 ―― 
 ――― 
 ―――― 
  
 「――それで、大事な話って何かな……?」 
  
 ボクよりも後に公園に来た雪歩は挨拶もそこそこに本題について尋ねてきた。不安と期待を入り混ぜたような表情をしている。 
  
 「大事な話っていうのはね……。」 
  
 そう言いながらも、思わず雪歩から目を逸らしてしまう。これから伝える言葉を聞いて雪歩がどんな表情をするのか、その答えを知るのが怖かった。 
  
 でも……それは最低の行為だってわかってる。そうでなくても、ボクはもう十分に卑怯者なんだから……。 
 気を取り直して、ボクは雪歩としっかり目を合わせた。 
 そして、動く事を拒むように重たい口をなんとか動かして喋り始める。 
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