70:名無しNIPPER[saga]
2016/02/13(土) 21:36:42.11 ID:XmKtMl4U0
――それから1年後――
ボクは事務所の応接室のソファーに座って小説を読んでいた。窓から差し込んでくる春の柔らかい日差しがボクを包んでいて、なんだか眠たくなってくる。
小説に目を落としながらも内容は頭に入らずボンヤリとしていると、コンコンとノックの音が聞こえ、応接室のドアが開いた。雪歩だ。
「あ、真ちゃんここにいたんだ。プロデューサーが下で待ってるよ。急がないと収録に遅刻しちゃう、って。」
腕時計に目をやる。うつらうつらしてる間に集合時刻を過ぎていたみたいだ。
「ごめん。すぐ用意するよ。」
「うん。プロデューサーすごく慌ててたから、早く行って安心させてあげなきゃ。」と、ニッコリ微笑む雪歩。
その笑顔はかつて、ボクだけに向けられる笑顔だった。
今、その笑顔はプロデューサーを想う時にも表れるようになっていた。
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