75:名無しNIPPER[saga]
2016/02/13(土) 21:50:16.89 ID:XmKtMl4U0
「雪歩……愛してる。」
ポツリと小さく発した言葉は口の中から出てすぐに消えた。前を歩く雪歩は振り返りもしない。当然だ、聞こえない様に言ったのだから。
でも、いつかのベッドの中で言えなかった言葉も今なら言える。自分はたしかにあの頃よりも成長したんだ。それを確認できた事が嬉しかった。
だけど、この言葉が雪歩の耳に届くことは永遠にない。
雪歩と付き合っていたあの頃に戻れたら……と、考えた事が無いとは言えない。今のボクなら雪歩を傷付けたりしないで幸せにできると思うから。
でも、時間は絶対に巻き戻らない。何かを無かった事にはできない。自分の現状を受け入れて前に進むしかないんだ。
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