過去ログ - 曙「バレンタインなんて大っ嫌い」
↓ 1- 覧 板 20
29: ◆1VwSTfn.DM
2016/02/14(日) 22:07:06.45 ID:lhZOBcG4O
——————
————
——
「うぇ」
自分の発した情けない言葉で目が覚める。部屋には誰の気配もなく、身を起こして見回せば誰もいない。
朧の目覚まし時計を見てみれば時刻は八時をとっくに過ぎていて、心が少しざわつく。
(もしかもせずに寝過ごしちゃったか。消灯時間を過ぎてもなお執務室に居残って、十二時過ぎに眠ればこうなるのは仕方ないかもだけど——)
と思いつつも静かな焦りは止まらない。クソ提督の食事の用意はその週の秘書艦の仕事だ。
子供じゃないのだから口を開けて待つだけのはずはないが、与えられた仕事をこなせないとモヤモヤするしでつい頭を掻き毟る。
半開きの瞳のまま着替えたりアレコレと身支度をしていると扉が開く音がした。
「おっ、ぼのやん起きたー?おはよー」
「おはよう曙。珍しいね、君が寝坊するなんて」
反射的に返事をしてから顔を向けるとそこには漣と時雨。いや、なんで時雨?
そう思う私の疑問を感じ取ってくれた訳ではないだろうけど、漣が言葉を続ける。
「朧ちんと潮ちゃんはもうご飯食べ終わって遠征に行ったよー。で、ぼのやん起こしに行くっつったらしぐりんがついてきた」
「人をオマケみたいに言ってくれるね」
「実際オマケっしょ?」
「まあね」
たまにコイツら仲悪いんじゃないのかと少しハラハラする事がある。でも今はそれを気にしている場合ではない。
僅かに急ぐ私の様子を見てか、漣は更に付け加える。
「ご主人様には言っといたから平気だよー、自分で作るかとか言ってたし」
「そ、でも仕事あるし……ゴメンどいて」
二人の間を通って部屋を出た直後、
「おうぼのやん、いい朝だな」
「げっ、クソ提督」
出くわしてしまった。
39Res/31.36 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。