過去ログ - 曙「バレンタインなんて大っ嫌い」
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30: ◆1VwSTfn.DM
2016/02/14(日) 23:17:25.35 ID:Wn2ZaAmv0

 私に呼応するように二人は足を翻し、クソ提督の存在も視認した様だ。

「んー?どったのご主人様、ぼのやん起こしに来たの?」

「いや違う。仕事始める前にちょっと野暮用でな」

「うん?それは何だい?」

 野暮用と言って掲げたのはある店のロゴが描かれたビニール袋。この司令部どころか、鎮守府においてそれを知らない者はいないと言う程の。

「その袋って……」

「昨日寝る前にベッドの上に置かれてたんだよ。中身はコレな」

 袋から取り出されたのはラップで軽く巻かれた、手のひらサイズの四つ葉のクローバーの形をしたチョコレート。一口かじった跡がある。

「まだ寒いのに洒落てるよな。て、じゃなくて、チョコくれた子には軽い礼くらいするつもりなんだけど差出人不明のままじゃなーってことで訊いて回るつもり」

「へえ……心当たりとかは、まあないよね。ビニール袋とラップとではノーヒントだ」

「知ってるかも、って子はいるけど。ぼのやん、なんか知ってる?」

 名を出された瞬間に三人の視線がチョコから私へと向けられる。

「何で私なわけよ」

「昨日、会議行く前にはコレは無くて、その間ぼのやんは執務室にいた訳だろ?だとしたら俺の部屋に誰か入ったとか気付いたんじゃないかと思ってな」

「ん、もしかして曙がそれを置いて行ったなんてことは?」

「それは無いな、ぼのやんからはそれは壮絶な物を貰ったから……」

 壮絶?と不思議そうにする時雨の隣で漣が「マジでやったんだ」と言いたげな視線を送ってくる。それについては無言で肯定するとして、

「悪いけど何も知らないわ。私もアンタが帰ってくる少し前まで眠りこけていたから」

 私から出せる情報は他に無い、とも答える。
 クソ提督も納得した様で、「また後でな」と残してから去って行こうとした時に。

「質問、それ何味だった?」

 漣の質問に短く答え、歩き出して行った。

「ほんのり甘いビターチョコだったよ」



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