過去ログ - 曙「バレンタインなんて大っ嫌い」
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31: ◆1VwSTfn.DM
2016/02/14(日) 23:36:43.07 ID:Wn2ZaAmv0
「それじゃあ僕はこれから講義があるから。本当についでについてきただけなんだよね」
そう言って時雨も去ってからその場に残された私達二人の間には何故か沈黙が流れていた。
特に黙っている理由はないけど、口に出す話題も無いのでどうしたものかと心の中で首をひねる。
……だが、そのうち漣が口を開くだろうと思っていた。いつも騒がしいからという理由ではなく、他の理由を以ってして私はそれを予感していて。
「ぼのやんよ」
予感は確信へと昇華する。
「何よ」
「何か知ってる、どころじゃないんでしょ」
「……さあね。私がアイツに"渡した"のは昨日アンタに話した通りの苦い奴よ。宿直室でちゃっちゃっと作ってね」
「……なるへそ、嘘はついてないってことか。ったくもーどいつもこいつも面倒くさいったらありゃしない」
それ以上何も追及する気はないのか、漣は部屋へと入って行った。
私も遅めの朝食をどうしようかと考え、廊下を歩き始める。宿直室の冷蔵庫に何かあったかな。
けどそれは一旦思考の隅に置いて、既にこの場にいないアイツに向かって心の中で呟く。
(返し切っていなかった残りの礼は、それで返したつもりだから)
終わり
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