過去ログ - 曙「バレンタインなんて大っ嫌い」
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7: ◆1VwSTfn.DM
2016/02/12(金) 16:42:26.37 ID:7Dw8I+9h0
「十割全は言い過ぎたかもね、八割五分に負けてあげる」
「残る15%は?」
「一割があのバカナミ、残りは騒いでる連中」
はあ、と自分から訊いておいてどうなのと言いたくなる返事を返してクソ提督は顔を引っ込めた。まだ片付けは終わっていなかったのだろう。
もっとも、こちらも長話するつもりはなかったのでそれについて異議を唱えることもなく、執務机の上の書類やファイルやらに目を落とす。
私の浮わついた話が広まる直前、大本営から各鎮守府及び鎮守府支部に規模の大きな作戦が発令されたのだ。机の上にあるのはそれに関した物が大半で、残りは艦隊状況や資材の貯蔵量、装備の改修度合いなどといった司令部の基本事項。
クソ提督がこの作戦にどう出るつもりかは分からないが、今週の秘書艦だし一応目を通しておこうかなという訳で。
ただ、黙って文字を見ていると余計な考え事が邪魔をしてくるもの。去年の今頃も秘書艦をやったなとか、アイツら揃いも揃って呑気過ぎるでしょとか、文字を脳にしまい込むのを阻害してくる。
「ああもう」
仕事ではないが仕事にならない、と天井を見上げ嘆息する。こうなったらいっそ雑念と向き合った方が手っ取り早い気すらする。
呑気と言えばアイツら、同僚で友達の艦娘共だけど、大規模作戦のことなど一瞬たりとも話題にせず私のことで上書きしてしまった。やる時はやるという奴なのだろうけど、それはどうなのだろうか。
私の話題になってすぐ色んな奴らが私の元へとやってきた。金剛は先程の通りとして、
「また噂にされてるようだけど、実際今年はどうするんだい?」
と訊く時雨は可愛い方で。
「曙ちゃん!私も作るから一緒に頑張ろうね!」
愛の伝道師熱を再燃させた潮の瞳は煌めいていて。
「ま、精々頑張れば?」
などと言う言葉とは裏腹に笑いを堪えていた叢雲。今度しばく。
「いやー、甘酸っぱい青春してるよねー……ここは一番を譲るべき……?いやっでも私も一番がいいっ!どうしよう!」
白露には一人問答を見せつけられて。
「ふっふ〜ん、ぼのりーぬお悩み〜?すずやんパイセンが男の落とし方教えてあげよっか〜?落としたことなんてないけどさー☆」
鈴谷はストレートに面倒臭くて。アイツらの中でも特に漣と来たら——
「ぼのやーん!当日になったら友チョコちょーだーい!ズッ友でしょー!」
あ、アイツだけ通常営業だった。
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