過去ログ - 水本ゆかり「瞬くたびに変わるように」
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14:名無しNIPPER[saga]
2016/02/12(金) 14:44:14.15 ID:e0xKlt1b0

 ひとしきり桜の絨毯の上で笑ったら、男の子がぽつりぽつり話し始めました。

「ぼくにはお姉さんの悩みはわからないけどさぁ」

 私はその、染み込むようなトーンの声を聞いて、プロデューサーさんの顔を思い出しました。

「メロディだってなんだって、想いをそのまま形にしたらいいんじゃないかなぁ」

「でもメロディが、音符が私の手からこぼれ落ちちゃうんです」

「そんなことないんだよ。そこの水、底ごと掬ってみて?」

 私は冷たい水の中に手を入れて、底のビー玉ごと水を掬い上げます。

 さらさらとこぼれ落ちる水を見て悲しくなって、弱音を吐いてしまいそう。
 男の子の前なのに。私には作曲なんて。

「やっぱり……」

「違うよ。ちゃんと見て」




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