3: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/02/15(月) 00:34:04.11 ID:TB4fFfxa0
「ホントに、ささいなことなんです。私が変なんですよ」
「言ってくれたら、治すから、ね?」
そう言って、前にも何か約束してくれたっけ。
もうなんだったか忘れてしまった。
でも、一番最初に言った約束は覚えてる。
そう、たばこだ。
嫌なら止める。
付き合ったら止める。
彼女が有給をとって、私の家に泊まりに来た時のことだっけ。
高校に行ってる間に、外で吸ってきたみたいで、匂いですぐ分かった。
しょうがないんだろうなって思った。
ストレスとか、そういうのがあるんだろうなって。
私の前では、良い恰好するけど、そういう所は嫌だった。
「私、結婚まで考えてるんだよ。誰よりも真剣なの分かったでしょ?」
「それは、すごく分かりました」
でも、それがすごく重かった。
相手の良いところなんて全然分からなくて、探し方も分からなかった。
「あみ……」
「治さなくていいです。きっと、みさきさんに似合う人がいると思います」
私は財布からランチ代を取り出して机に置いた。
「今までありがとうございました」
「まッ」
「着いてこないでください」
私は駆け足でその喫茶店を出た。
道の途中振り返った。
来てない。
寂しさよりも、安堵の方が勝った。
これで解放されるんだ。
分かってる。
酷い人間なんだ。
あれだけ愛されたのに、
私から愛を与えることなんてしなかった。
したいとおも思わなかった。
キスは気持ちよくなんてなかったし、
エッチも気持ちよくなんてなかった。
好きだと言ったこともなかった。
私はただ、普通の人がしていることをしてみたかっただけなんだ。
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