過去ログ - 勇者「仲間TUEEEEEEEEEEEEEE!!」
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名無しNIPPER
[saga]
2016/03/31(木) 17:50:20.49 ID:AnYy5EW8o
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余は夢を見た……。
長く果てない夢を……。
世界で誰よりも強い存在になるという真っ直ぐな夢を……。
魔界を統一した時、その夢は少しの間、叶った……。
神界を征服し、女神を封印した時も少しだけ叶った……。
だが、夢はあくまで夢でしかなかった……。
手に入れようとしていたものは指先からこぼれ落ち、そして余はこれまで手に入れたもの全てを失った……。
余の両目から、雫が一つ二つ落ちていった……。
「ようやく気が付いたかの、馬鹿者めが……」
気が付くと、横に師匠がいて……。
師匠は困ったような、呆れたような、それでいて優しい顔をしていた……。
「力で力を得ようなどと愚かな事じゃ……。ワシはそれを最期までお前に教えきらんかった……」
「じゃが、ワシの弟子達が……。そして、ワシの弟子達が慕う、勇者がそれを教えたじゃろうて」
「力で得たものは、更にそれより大きな力によって奪われるのじゃ……。じゃが、力以外で得たものはどれだけの力をもってしても絶対に奪えぬ……」
「信頼、絆、友愛、誇り、優しさ……。そういったものを得よ。それこそが真の強者というものじゃて……。ふぉっふぉっふぉっ」
ふと気が付くと、師匠の横には余の右腕と左腕たるルシファーと側近がいた……。
側近とルシファーはにこやかに笑っていた……。
「魔王様、次は冥界でナンバーワンとおなり下さい」
「私どもは魔王様にどこまでもついていきます」
余は静かに……。それが当然の様にうなずいた。
「行くか、二人とも。余の誇る、最強の矛と盾よ!」
「ははっ!!」
「はいっ!!」
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