過去ログ - まゆ「完成しないジグソーパズル」
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7:名無しNIPPER[sage]
2016/02/17(水) 16:48:33.50 ID:vrlgUmvyO
そう言って一息をつき、まゆは語り出した。今日学校であったことを親に話す子供のように嬉しそうに。

「プロデューサーさんって、いっつもちひろさんの淹れるコーヒーをブラックで飲んでますよね」

「ん? あぁ。大人だからな」
以下略



8:名無しNIPPER[sage]
2016/02/17(水) 16:49:01.32 ID:vrlgUmvyO
「プロデューサーさん、水曜日だと機嫌良いですよね? 何でですか?」

「……よく分かったな、そんなこと」

「いつも見てましたから」
以下略



9:名無しNIPPER[sage]
2016/02/17(水) 16:49:28.27 ID:vrlgUmvyO
「プロデューサーさん、よくコンビニの新商品買ってますよね」

「普通にコーラ買ったりしたほうが美味しいんだろうなぁとは思うけれどもなぁ。 やっぱり知らない味ってのはドキドキするんだよなぁ」

「ちなみに今まで一番美味しかった新商品ってなんですか?」
以下略



10:名無しNIPPER[sage]
2016/02/17(水) 16:49:54.83 ID:vrlgUmvyO
これ以上客観的に自分のことを見させられるなんて恥ずかしくてたまらない。しかし不思議と不愉快な気持ちは無かった。むしろ喜びさえ感じていた。


11:名無しNIPPER[sage]
2016/02/17(水) 16:50:22.29 ID:vrlgUmvyO
「でもダメなんですよ。 まゆがそういうこと知っていても、プロデューサーさんがもう止めてしまった、まゆの知らないことがあるかもしれません」

「そういうのが本当にあるのか、それとも無いのか、分かりません。 プロデューサーさんが無いって言ったって、それはまゆのための優しい嘘かもしれないですから」

「無限に枠が広がり続けるジグソーパズルです。 埋めた、って思ったのにそんなことは無くて」
以下略



12:名無しNIPPER[sage]
2016/02/17(水) 16:50:48.37 ID:vrlgUmvyO
そう言うとまゆは顔を伏せた。泣いているのかもしれない。

「俺でも知らない自分のことをまゆは知っていると思うけどな」

「まゆを買いかぶりすぎですよ」
以下略



13:名無しNIPPER[sage]
2016/02/17(水) 16:51:15.55 ID:vrlgUmvyO
ジグソーパズルは完成しない。そう、まゆは言った。
誰もその人の全てを分かれはしないからだ。まゆもそれに気づいている。
気づいているから、どんなに俺のことを知っても納得しないのだろう。
「まだあるはず!」というのに取り憑かれて。


14:名無しNIPPER[sage]
2016/02/17(水) 16:51:42.21 ID:vrlgUmvyO
まゆにとって今も昔もこれからも変わらないのだ。今も昔もこれからの俺の全てを手に入れたいのだ。
例え今とこれからの俺を与えたところでまゆは満足しないだろう。
まゆがジグソーパズルを捨てない限りは。


15:名無しNIPPER[sage]
2016/02/17(水) 16:52:08.18 ID:vrlgUmvyO
お読みいただきありがとうございました。


16:名無しNIPPER[sage]
2016/02/17(水) 17:24:28.20 ID:mEc7UfiCo



17:名無しNIPPER[sage]
2016/02/17(水) 17:54:33.40 ID:C620oQkvo
15年?25年じゃないの?
乙!


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