15: ◆Hnf2jpSB.k[saga]
2016/02/17(水) 20:32:09.41 ID:AuX52slUo
【13:13】
慣れ親しんだビルを見上げる。
もうここに来ることもないのかと思うと、体中の力が抜けそうになる。
「……嘆くのは後だ」
意を決して階段を上がり、扉に手をかける。
弱気を振り払うように声を出した。
「ただ今戻りました」
「あら? プロデューサーさん今日は直帰のはずじゃ……」
事務所には音無さんしかいなかった。
「ちょっと今日中に片付けないといけないことが出来まして」
「もう。仕事熱心なのはいいですけど、体を壊したら元も子もないんですよ?」
ちょっと口を尖らせながら、音無さんは俺の心配をしてくれた。
……体を壊す、か。
もう俺には関係ないんだよな。
「はは、気を付けます」
何とか笑ってごまかす。
……いつも通り笑えているだろうか?
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