過去ログ - 【艦これ】提督「こんな夢を見た」【夢十夜】
1- 20
68: ◆GFAFNejGqE[saga]
2016/02/27(土) 00:00:15.13 ID:cnIJVxkn0

 【第九夜】

こんな夢を見た。

世の中のざわつきが抑えられなくなってきた。とうとう戦争が終わりそうに見える。焼け野原になった町で、夜昼となく、人々が飛行機に追い立てられ、逃げ惑う景色が見られる。

警備府には、女とその娘がいる。姉たちはどこかへ行った。

姉たちがどこかへ行ったのは、半月の夜であった。磨きこまれた艤装を着けて、白い鉢巻を巻いて、暗い海の先へと向かって行った。その時女の持っていた弓が月の光を反射して、地上でもう一つの月のように淡く輝いた。

姉たちはそれきり帰ってこなかった。娘が生まれるよりも前のことである。娘は姉たちの顔も知らない。女は毎日、娘に「あの娘たちは」と聞いている。

娘はどうとも答えられない。ただそのうちに「あっちの方」と答えるようになった。女が「いつ帰るの」と聞いても、やはり「あっちの方」と答えて俯いていた。

そんな時女は細い腕で娘を抱きしめ「今に帰ります」といつも繰り返した。娘もいつしか「うん、今に……今に」と答えるようになった。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
107Res/63.15 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice