15: ◆K5gei8GTyk[saga]
2016/02/19(金) 15:30:54.68 ID:KdggYUJB0
着替えに行った彼女が戻ってくるタイミングに合わせて、コーヒーを淹れなおす。彼女が遅くに帰ってくるときは決まって、こうしていた。
ガラステーブルを挟んで、お互いに向かい合う形でソファに腰掛ける。
彼女はピンクの、俺は水色のマグカップで、これは彼女がデビューしてすぐのときに買ったものだ。
いくら洗っても落ちない茶渋が不格好だが、だからといって買い替えることもないままだった。
P「今日の仕事はどうだった」
乃々「はい、いつも通りに」
P「いま幸子が番組企画でなんか資格取るチャレンジしてるらしいな」
乃々「そうなんです、電験一級とかなんとか」
P「はは、そりゃ面白い」
安物のコーヒーを啜りながら、笑い合う。彼女が新人だったころは彼女の現場まで付きっきりだったが、ここ何年かはそういうことはしていない。
もう俺が付いてなくとも立派に仕事ができるようになったからだ。
そのかわりに、こうして仕事終わりなんかに談笑する機会が増えた。
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