過去ログ - 南条光「砂糖無しで、ミルクはいっぱい」
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14:名無しNIPPER[saga]
2016/02/21(日) 15:57:32.78 ID:vaXUSRZy0

 心の何処かで、「何処でそのことを知った?」と言って欲しいと思っていた。狼狽えて欲しいとも思っていた。が、その期待は「お、サンキュ。光のことも一緒に教えとく」という返事に裏切られた。

「おかわりが必要なら幾らでも切るし、今日じゃなくたってまた焼くからっ!」

「それは嬉しいな。じゃあ、もう三切れ頼めるか?」

「了解っ! ……あ、コーヒー飲んでからでいい?」

「貰うだけの俺だからな、急かせられないって」

 脳内で荒れる情報の波を飲み干すよう、カップを一気に傾けた。濃いめのミルクコーヒーが、何度も何度も反芻される彼とのビジョンとともに胃へと落ちていった。

「次は砂糖多めにしようかな」

「いいと思うが、どうしたんだ? 光はいつも、俺のと同じのを飲んでただろ」

「甘いのが飲みたくてさ。とにかく、すっごく甘い奴」

 Pは否定も肯定もせず、一番好きな飲み方をした方が楽しいとだけ言って皿を空けた。出した物を完食してくれたのことが、アタシが彼を理解してることの証明であって欲しかった。<了>


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