過去ログ - 南条光「砂糖無しで、ミルクはいっぱい」
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2:名無しNIPPER[saga]
2016/02/21(日) 15:37:50.35 ID:vaXUSRZy0

「嘘だと思うのなら証明してみせる。次のバレンタイン、Pを唸らせる究極のチョコを作って持ってくよ!」

 声を張り上げてカレンダーを指さした。自分も含め同僚たちのスケジュールがみっちり書き込まれた予定表によると、今日は折り返しの水曜日。二月十四日までに五日間は時間が残されていた。

「至高でも何でも、くれるっていうならとても嬉しいが……出来るのか? 光にそんな女子らしいこと」

 ぐ、と言葉が詰まり言い返せなくなった。アタシはお菓子作りに関してほぼ素人であり、まったく正論だったのだ。

 そうでなくても、今まで女の子趣味とは無縁に過ごしてきたアタシでは、可愛くラッピングすることも不可能かもしれない。

 けど、それは止める理由にならない。今回を契機に作れるようになればいいのだ。挑むのならば、微かでも光はあるはず。そう前向きに捉えたい。

「出来る! というか、やってみせる!」

「おう、楽しみにしてるからな。あ、土曜は空けるから、先出しは無しで頼む」

 期待してくれているのか、彼は口端を持ち上げて笑った。そのまま彼は席を立って、そそくさと給湯室に向かった。しかしそこでお茶を沸かす様子もなく、長々と電話をかけていた。

「お疲れ様━━━━イブの予定は━━━━」

 ちひろさんが彼を事務室に連れ戻したころには、お昼の休憩時間はとっくに終わっていた。


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