過去ログ - 如月千早の今日思ったこと (2)
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57:1 ◆0NR3cF8wDM[saga]
2016/03/18(金) 01:12:11.85 ID:rdGueqKz0
少し、違う話をさせてください。
ご存知の方もいらっしゃると思います。
私、如月千早には優という名の弟がいました。
たった一人の、とても可愛い弟でした。
お絵かきが得意で、特に私の歌う姿を絵にするのが好きだったみたいです。
うたってうたって、お姉ちゃん。
そうねだる優に、私はいつだって笑顔で歌って応えました。
だから私は、優が喜んでくれるから、どんどん歌が好きになっていったし、もっともっと上手に歌いたいと考えるようになったのです。
けれど、突然の事故で優はいなくなってしまって。
家族の関係は壊れてしまい、私に残されたのは、優がじょうずだねと褒めてくれた歌だけになってしまいました。
幸いだったのは、その後にたくさんの優しい人たちと出会うことができたことです。
おかげさまで、今では、人並みに笑って毎日を過ごせるようになったと思います。
歌しかなかった私に、大切なものがいくつもできました。
大切な人が、何人もできました。
その中でも、真美や亜美、高槻さん、そして美希は、まるで私のことを姉のように慕ってくれました。
特に美希は優と同い年なこともあり、私はどうしても優を意識せずにはいられませんでした。
歌って、千早さん
ミキ、千早さんの歌好きだな
千早さんに負けないようにミキもがんばるから、ね、ちゃんと見ててね、千早さん
彼女のくれる無邪気な言葉が、信頼が、きっと、頑なだった私の心を少しずつほぐしていって、まるで優がいた時のような、そんな満たされた気持ちになることさえあります。
ふふ、こんなことは誰にも伝えるつもりはなかったのだけれど、とうの美希本人が、
「お姉ちゃん、歌を教えて欲しいな」
だなんて、今日突然言い出すものだから、もう遠慮せずに妹扱いしてしまおうと思います。
一時は少し悩んだこともありました。
美希のことを妹のように感じることは、彼女に対しても優に対しても不義理なことなのではないか、と。
でも。
大切なものの増えた私にとって、今でもやっぱり歌が特別に大切なものであるように。
美希を大切に思うことは、決して、私の中から優を消してしまうということではないのだと。
大切なものが増えることは、とても素敵なことなのだと。
そう、気付くことができました。
星井美希。
とてもキラキラしていて、何でもできて、でもちょっと怠け気味な所もあって、色々な顔を見せる、誰もが気にせずにはいられない不思議な女の子。
そして。
――私、如月千早にとって、大切な妹のような存在です。
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