過去ログ - 日向創「ronpa/extra」
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5:名無しNIPPER[saga]
2016/02/26(金) 17:05:07.17 ID:7s1hi9ya0
朝の喧騒は担任の教師によって遮られる。
噂通り転校生がやってくるらしい。教室全体がそわそわとしている。

「それじゃあ、入ってこい」

教師に呼ばれた転校生が、教室へと入ってくる。
そわそわとした空間が、一瞬、静寂に満ちた。

「初めまして。ボクの名前は狛枝凪斗です」

教壇の横に立ち、爽やかにそう告げた転校生。
特徴的な白髪も目を引いたが、何よりも驚いたのはその格好。
希望ヶ峰学園の校則はそこまで厳しくない。だけど、それは何も無秩序なわけじゃない。
生徒は全員、当たり前のように制服を着ている。それは、校則とかそういう事ではなく、ただそれが当たり前、というだけの話だ。
なのに狛枝と名乗った転校生は、白いシャツにジーパンを履き、挙句の果てには趣味の宜しくない緑色のパーカーを着ている。

狛枝「……アレ、何かおかしいかな?」

おかしい、なんてものじゃない。なんて常識がないんだ。こんなのおかしい。
誰だってそう思うにきまって……きまって?
しかし、僕の思いとは裏腹に、教室では普段の調子を取り戻しつつあった。
皆同じ光景を見ていて、最初は確かに驚いていたはずなのに、誰も、何も、言わない。
まるで間違っているのは僕だ、といわんばかりに。

狛枝「親の都合で転校してきたんだけど、多分そこまで“長く”いるつもりはないんだ。
きっと希望溢れる皆ならすぐに会えると思うしね。だから僅かな時間だけど、仲良くしてほしいかな」

転校生はそう挨拶をして締めくくる。
教室から鳴り響く拍手。
僕はいまだに、この奇妙な世界に戸惑っている。
──一瞬、視界にノイズが入った気がした、

狛枝「……」

ふと、転校生の視線を感じた。
いや、それは僕に向けられていたものだったのだろうか。
分からない。ただ、彼の眼は、こちらを見ていたような。品定めしていたような、そんな気がする。


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