12: ◆9l/Fpc6Qck[saga]
2016/02/27(土) 22:21:05.95 ID:Xlkj4gvl0
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あのアノマロカリスがこの店を離れ、幾ばくかの時が流れた。
この店主は普段から、店を構えるビルの二階にある倉庫を寝床としていた。
ここは水道は通っているし、新聞もビルの一階に届く。
その日も店主は、ダンボールと猫用ペレットの散らばるこの部屋で、コーヒーを飲んでいた。
だが、この時の彼はそれを嗜むということができなかった。
なぜなら、彼が手に持っていた新聞のある見出しを目にした途端、コーヒーの味がなくなってしまったからだ。
―――○○海岸にて古代生物の死骸発見―――
―――カンブリア紀の生物と判明―――
近所では変わり者として知られる彼も、この時ばかりは涙を抑えられなかった。
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