21: ◆9l/Fpc6Qck[saga]
2016/02/28(日) 03:11:46.28 ID:8bUT7qS70
やって来たのは、小さな女の子を連れた母親らしき女性だった。
「すみません……ここ、恐竜は取り扱っていますか」
「はい、種類にもよりますが取り揃えておりますよ」
彼は仕事となると、私情を挟むことはしない。
だから顔には出ないが、内心では「またか」と思っていた。
大方の予想はつく。隣に連れた子供が恐竜を欲しがっているのだろう。
母親が「この子の誕生日なんですけど」と口にした時、それは確信に変わった。
彼は子供は嫌いではないが、ここの生き物を渡すことに関してはいつも躊躇があった。
子供の頃に飼われる生き物は、彼女達の“道徳心”を育むための“犠牲”となることが多々あるからだ。
なにより先のアノマロカリスの件もある。
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