19:名無しNIPPER[saga]
2016/02/27(土) 20:34:12.89 ID:887tizks0
――居酒屋を出発したタクシーの車内には会話は無く、目的地を目指すタクシーの淡々とした走行音だけがその場を包み込んでいた。
時折、真ちゃんが不鮮明な唸り声を漏らす。その度に私は背中をさすってあげていた。
「真ちゃん、大丈夫?」
「うーん……」
目を瞑ったまま苦しそうにそう呟く真ちゃんは、言葉を発するのもやっとみたい。私が店に到着する前にトイレで吐いてるらしいから大丈夫だとは思うけど……。
せめて、真ちゃんのアパートに着くまでは何も起こりませんように。私は背中をさする手と反対の手を真ちゃんの手に重ねながら、そう願っていた。
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