12:名無しNIPPER[saga]
2016/02/27(土) 22:21:56.86 ID:VaTknh2Io
まゆちゃんが何を言っているのか、よく分かりませんでした。
慌てたような様子で指差されて、首を傾げながら目元を確かめます。
拭った指はしっとりと濡れて。
「……あ、あれっ…………?」
それが合図だったように、次から次へと涙が零れていきました。
綺麗な凛ちゃんを避けるように、私の涙が表紙を濡らしてしまいます。
「だ、大丈夫ですかぁ……? おなか痛いんですか……? 医務室をいえまず担当さんに……」
「い、いえ……あの、私はっ」
「あ、卯月さんお帰りなさいー。いま卯月さんの分のお茶ええっ!?」
「あ、歌鈴ちゃん……ただい」
「おなか痛いんですかっ!? きゅ、きゅうきゅうきゅう車呼びましょうかっ!」
「あの、きゅうが一個多いで」
「卯月ー……おなかいたいのー? とんでけー……むこうの方にとべー……」
「え、ええとー……?」
まゆちゃんが雑誌を抱えておろおろと動き回ります。
歌鈴ちゃんはお盆を抱えたまま慌ててぐるぐると回ります。
こずえちゃんが私のお腹を撫でてはとべー、撫でてはとべー、と呟きます。
……大変な事になってしまいました。
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