17:名無しNIPPER[saga]
2016/02/28(日) 11:40:15.06 ID:VZ/gYEMpo
「普通はさ」
言ってから、自分でも驚いたように口へ手を当てて。
それから納得したように笑うと、プロデューサーは話し始めてくれました。
「総選挙4位になったのに、焦った様子で自主トレなんてしないと思ったんだ」
「……」
「普通はさ、両目にゴミが入ったりしないと思うんだ」
「……」
「でも卯月は今、話してくれた」
そこまで話して、プロデューサーさんが長く息を吐きましす。
膝の上で指を組むと何かに祈るように目を閉じて、ゆっくりと開けました。
「僕も話す。僕は、なりたくてプロデューサーになった訳じゃない」
プロデューサーさんの目は、私の目を見つめたままで。
「大半の人は、したい仕事が出来なかったり、したい仕事なんて無かったりするものだと、僕はそう勝手に思ってる」
「……」
「僕が……そうだったから。普通に大学を出て、普通に働こうとして、僕はそこで……普通が分からなくなったんだよ」
プロデューサーさんは、いつもの素敵な笑顔とはちょっと違う、どこか悲しそうな笑顔を。
それでも、笑顔を浮かべていました。
「そこから僕は、普通じゃなくなった」
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