過去ログ - 志希「フレちゃんがうつになりまして。」
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名無しNIPPER
2016/02/29(月) 22:42:13.02 ID:/e3tjpcqo
フレちゃんがあのとびきりの楽しさを拒絶するなんてまだ信じられなかった。
だけどそれでも、とても弱々しいものだったけれどあたしに意志を示したのだ。かの哲人曰く、自由意志は尊重されて然るべき、なり。断定。
ま、脳科学でも物理学でもそんな自分勝手な意志なんて存在しないって否定されてるんだけどさ。それはともかくここでは存分に活用させていただきますか。
「フレデリカちゃんの体調が優れないようですので、このままではとても2人でステージにあがれません」
「……冗談だろう、もう満員の客が君たちを待ち望んでいるんだ。さぁ、立ちあがってくれ。10分後には数千人の前に顔を出すんだ」
「この埋め合わせは、のちに必ず」
「そういう問題じゃない! 君たちは今回のイベントのメインアクターなんだ、いまさら出演できませんで済まされるか! 我が企業の信用問題に関わる!」
「ですが、無理をおしてまで出演し中途半端なパフォーマンスを披露してしまうこともまた、ファンとイベントの信頼を失ってしまうのでは?」
「……っ体調が少しくらい悪いくらいでなんだ、君たちはプロなんだろう! プロならどんな状況でもやり切ってこそだろ、それで金を貰ってるんだろう!」
「プロである以前に、わたし達はひとりの人間です、せめて1時間でもいいですから延期させてくれませんか」 にゃはっ、それにしてもなんともあたしらしくないセリフ。
「できん、自分勝手な子供のわがままに付き合えるか! この公演には大金を支払って各界から著名人を呼んでいるんだぞ! 私の面子を潰す気か! いいか、一分の失敗も許されない、やるんだ!」
あぁ、それが本音ね。さてはて、困ったにゃあ。
あたしが知ってる、この手の業界人にはひとつやふたつは沸いてでてくる黒いウワサをつっついたら逆上させちゃって効果は薄そうだし。
延期すらも許さないとなると、予防線を張っておいたあたしひとりで出演するという譲歩案もまかり通りそうにない。
いっそ、失踪しちゃう? あたし的にはお散歩と言っていただきたいのだけれど。まぁどっちでもいいけどね。
んーでもそれはさすがにヤバいかなー。あたしが原因で日本の失業率を増やしちゃうかも。ま、0、1%くらいだろうしさほど影響ないかな、ダメか。
そんなことを考えていると。
「……うっそー☆」
あまりに不釣合いな、素っ頓狂な声が聴こえたから。
「あはは、志希ちゃんビックリした? 気まぐれネコちゃんの志希ちゃんを飽きさせないためのさー、フレちゃん流の変化球のギャグ、魔球だよー」
フレちゃんが、いつもとお変わりなく元気そうに立ち上がるものだから。
「消えてなくなる魔球、アブラカタブラ、ひらけゴマ! 食らえ必殺ビスキュイ・ド・サヴォワ〜! あれ、いつのまにか洋菓子になっちゃった」
いつもの独自の宮本フレデリカ理論をあたしの前で見事に展開してくれるものだから。
つい気が抜けてしまって(フレちゃんはよくもわるくも、本当に場の空気を乱すのがお上手だ)。
あたしはこのとき最もしてはいけない、安易な解を導いてしまったのだ。
「ほんとうはね、昨日はいっぱいご飯食べたよ。あ、ご飯じゃなくてパンだけど。フランスパン。フレちゃんおフランスだからね。あれ、そういえばパンでも夕ご飯っていうよね。なんで夕パンにならないんだろ?」
なんでもない、みんなを驚かせるためのいつものただのジョークかもだなんて。
「ライブ、出るよー」
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