12: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/02/29(月) 17:54:55.77 ID:ieSCX+M70
その時、Pさんが――Pとは、ボク達のプロデューサーさんの名前です――七海さんを呼びに、休憩室へとやって来て。
二人が出て行ってしまうと、部屋には宿題をするボク一人。
「さてと。ボクも、ささっと宿題を終わらせませんとね」
13: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/02/29(月) 17:56:03.27 ID:ieSCX+M70
「――なんでしょう?」
やがてボクは、奇妙な感覚に襲われました。なんだか、誰かに見つめられているような……そんな気がしてきたのです。
14: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/02/29(月) 17:56:50.40 ID:ieSCX+M70
「気のせい……かな」
しかし、その奇妙な感覚は薄まる事なく、むしろ、先ほどよりもよりハッキリと感じられるようになった気がして。
15: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/02/29(月) 17:58:17.52 ID:ieSCX+M70
一心不乱に手に持ったシャープペンシルを動かしながら、
早く誰かがやって来てくれないか――そんな事ばかりを考えていました。
「あっ」
16: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/02/29(月) 17:59:00.57 ID:ieSCX+M70
きっと、静かな部屋に一人きりだったので、このぬいぐるみに見られているような……
そんな勘違いを、知らず知らずのうちにしてしまったのでしょう。
けれど、いくら作り物だと分かっていても、何も言わずじっとこちらを向いていられるのは、
17: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/02/29(月) 17:59:55.55 ID:ieSCX+M70
「あ〜、やっぱり忘れてました〜」
いつの間に戻ってきたのか、七海さんがボクの目の前で、ぬいぐるみをひょいと抱きかかえます。
18: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/02/29(月) 18:00:41.66 ID:ieSCX+M70
――助けてくれ。
「えっ?」
19: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/02/29(月) 18:01:31.46 ID:ieSCX+M70
「海は、ひろいれすから」
顔を見せずに、そう言う七海さんの服が、ぐっしょりと濡れています。
スカートの裾から、ぽたりぽたりと雫が零れ落ちて……。
20: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/02/29(月) 18:02:34.14 ID:ieSCX+M70
『あちゃ、またやられちゃった!』
――真っ暗な世界の中、どこからか聞き覚えのある声が聞こえてきます。
瞼を開くと、いつもの事務所の休憩室。ソファーに座っているボクの体は、なぜだか自分の意思では動かせなくって。
21: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2016/02/29(月) 18:03:47.57 ID:ieSCX+M70
再び、左腕に走る痛み。あぁそうだ、さっきの「ボク」は、彼女に首を裂かれて……。
何度目かの、鬼ごっこが始まりました。
――鬼ごっこの舞台となっている事務所は、そう大きな建物ではありません。四階建ての、どこにでもあるようなビル。
22:名無しNIPPER
2016/02/29(月) 18:04:33.02 ID:ieSCX+M70
『ここ、なんかアイテムがあるかも!』
『あー、階段塞がれてるじゃん』
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