48: ◆dr9XmfAj2s[saga]
2016/03/04(金) 22:18:06.58 ID:65wyZxoy0
忙しなく動く人々を見つめるティエリア。朝からずっとベンチに座って資質がありそうな子を探しているようだ。
ティエリア「やはり、そう簡単には見つからないか...ん?」
視線が止まる。いや、目の前を横切る少女に釘付けにされた、とでもいうべきだろうか。すぐに、ティエリアはスカウトを試みる。
ティエリア「ちょっといいだろうか?」
凛「えっと...前、邪魔なんですけど...っていうかアンタ...誰?いきなりじろじろとこっちを見てきてさ...」
ティエリア「それはすまない。僕はこういう者なのだが...」
すかさず、名刺を渡す。
凛「346プロのプロデューサー、ティエリア・アーデ?スカウト...アイドルにって私を?」
そうだ、と彼女の言葉を肯定する。
凛「バカ言わないで。私がアイドルなんて、冗談でしょ。興味ないのにさ。そんなこと言いながらウロウロしてると、通報されるよ?じゃあこれで」
ティエリア「待ってくれ!君は、アイドルに興味はないのか!?」
凛「興味ないものは、マジメに考えても、ないから」
ティエリア「じゃあ、アイドルが何をするか知っているのか?」
負けじと、話を続ける。
凛「ステージで歌って、踊る仕事...だよね。ハンパな覚悟じゃつとまらないはず...そういえば私、やりたいことなんてなかったな。今までも、これからもずっと...?」
ティエリア「始める前から、何も見つかりはしないだろう。だから、熱中することのできる「何か」を見つけてみないか?」
まっすぐと、相手の眼を見つめる。
凛「はぁ...わかったよ。何が待っているのかはわからないけど...「何か」を見つけられるのなら――――」
警官「すみませーん、何をしてるのかなー?」
警官がきた。どうやら不審に見られているようだ。
凛「おまわりさん!?ち、違います、この人は...怪しくないから!...たぶん」
弁明してくれているが、たぶん、はまずいだろう...。
警官「本当かな〜?もしヘンなことしてたらシメちゃうぞ?」
ティエリア「大丈夫だ。僕はそんなことをするつもりはない」
警官「ふーん...じゃあ女の子に免じて許してあげる。まだパトロールがあるし、じゃーねー」
警官が去っていった...
凛「はぁ...何でこんなことに...」
ティエリア「何だかすまないな...」
凛「別にいいよ。あたしは渋谷凛、アンタがあたしのプロデューサーでしょ?これからよろしく」
ティエリア「こちらこそよろしく頼む。他にもプロデューサーはいるのだが...そのことは明日にしよう。この書類を読んでおくように」
わかった、と返事をしてどこかにいく彼女を見送る。
ティエリア「最初からこれとは...これから難儀しそうだな...」
もっとうまくスカウトできるようになろうと決意したティエリアであった。
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