過去ログ - 【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―3―
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922: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2016/06/09(木) 23:02:18.07 ID:3LDpXjjP0
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 モーニングは素朴なカチーフを頭に被り、その口は忍の覆面を付けた。
 だが、目には何もつけていない。眼鏡くらいつければいいのにと思うが、それは仕様上出来ない相談で、どちらか選べと言われたモーニングは泣きそうな顔のままに口を選んだのだった。
 わずか5mという距離をモーニングは進む。一歩進むたびに目から涙が溢れ、なんでこんなことになっていのかと自身を呪う。逃げ出そうとしても、すでに退路は封鎖されている。一同が見せる圧倒的な統率力を前に成す術などなかったのだ。
 死んだら化けて全員呪い殺してやる。マクベス単体を怨む予定が、同僚全員に対してになった。
 足に力を入れ、床を踏みしめどうにか目の前にまで進んだ。もう視界は涙で滲んで取っ手も見えない、モーニングは手を静かに振い始める。手さぐりに手を振い、そしてそれを掴んだ。いや、掴んでしまった。あとは上にあげるだけと手筈も整ってしまった。
 深呼吸をしたいけど、この目の前で深呼吸などすればすぐに倒れることになる。立ち往生は望めない、もう覚悟を決めていくしかない。毒を食らわば皿までと考えれば、まだ準備中の位置である。そう考えればまだ大丈夫なはずだと、彼女は少し楽観的に考えて、ここ偽りの余裕が生まれた。
 そして、その余裕のままに蓋を開けたのだった。


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