過去ログ - 【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―3―
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938: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2016/06/12(日) 01:25:41.77 ID:71UUvysc0
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 そんな顔をされても、作った物くらい食べてくださいよ、本当に。
 しかし、異形物質はもうマクベスが食べる以外に処理の方法がなくなっていた。思わず腹部に手を添えて優しく撫でる。
 ポンポンや、あと少し頑張れるかと。無論答えなど帰って来ない。わずかながらの現実逃避を経て、ちらりとカムイを見る。

「ううっ、ひぐっ、まきゅべすぅ……」

 もう涙は眼尻に溜まっていた。ドレスの裾を力強く握って、縋るような声には謝罪の念さえ感じられる。
 父親の前でこういった姿を見せることが恥ずかしいのかもしれない。こうして判断を渋っている間にカムイが泣き出せば、ガロンの機嫌が損なわれる。

「……はぁ」

 マクベスは覚悟を決める。

「ガロン王様、よろしいのですね? このカムイ王女が手伝ったお料理を、この私……マクベスが食しても」
「ああ、構わん」
「では、ありがたく頂きましょう」
「まきゅべす……」

 心配そうな顔のカムイにマクベスは頷きを返し、その手にフォークとナイフを持つ。お皿に乗った予想100gを前に、胃液が逆流しそうになる。

「……いただきます」

 そして、マクベスは四切れに切ったそれを口に含み、一口噛んだところである。
 視界が白く染まり、やがて目が回り始めると、体中の力が抜けて、そのまま椅子から転げ落ちた。


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