過去ログ - 華琳「ガッツ……貴方を、必ず私の物にしてみせるわ」
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9:名無しNIPPER
2016/03/05(土) 01:36:42.06 ID:BCv3nobOO
 ということがありまして。


「手前、生国(しょうごく)は遙か西の海に浮かぶちんけな島、妖精郷(エルフヘルム)っつー場所でありんす、あ、花は咲き乱れまくり鳥は歌いまくりエルフは踊りまくる、年中常春のエルフィンパラダイス、Oh、寄ってらっしゃい見てらっしゃい、ついでにブドウ酒くださいっつー懐かしき故郷を飛び出し早、あ、十と余年、紆余曲折波瀾万丈、涙あり笑いあり大スペクタルありの長き永ーき時を過ごし、あ、こうしてお三方でこうしてこの場で出会えたのも、あ、なんかの縁、互いに名を交わし合いませんか、あ、お引けなすってぇ、お引けなすってぇ、というわけで、オレ、パック、よろぴこ♪」

「ふむ、そうも丁寧に名乗られては、こちらも名乗らない訳には参らぬな。我が名は趙雲、字は子龍」

「風(ふう)は程立、字は仲徳ですよー♪」

 名前の感じからして、やっぱり別の場所――しかも遠くに飛ばされたみたいだった。アザナとかあんまり聞き成れないし。

「ほおほお、みんな変わった名前してるねー」

「いえいえぱっく殿ほどでは」

「くっくっく、そちも変よのぉ」

「ふっふっふ、いえいえそれほどでも」

 チョーウンと名乗った女性と黒っぽく笑い合う。やっぱりこの人、相性が抜群だったらしい。

「ちょっと待ってください! なんで二人ともそんな珍妙奇天烈摩訶不思議な、き、き」

「奇想天外死者誤入?」

「き、奇妙な小さな人間とふつうに会話してるんですかっ!? 妖術使いが生み出した魔物かもしれないんですよっ!」

 よーやく復活したメガネの女性はびくびく腰を引きながら、パックの方を指さしていた。

「……何故とな。そうはいわれても、身近に自分以上に驚く者がいると、逆に冷静になってくるというか」

「そうですねー、確かに稟ちゃんの言うとおり、風もびっくりしましたけど、いつまでも怖がるのも、せっかくご挨拶いただいたぱっくちゃんに失礼ですよー。こんなにかわいらしいのにー」

 やほっとこっちも可愛さをアピールすると、おどおどしながらも冷静になってきてくれたみたい。

「………………、分かりました。私の名は、戯志――いえ本名を明かしましょう。名は郭嘉、字は奉孝です」

――んん?

 なんか変だなと思い、ちょっと問いかけてみる。

「ねーねー、さっきからキミのこと、二人ともリンリンって呼んでるけど、それってなんかのニックネーム?」

 三人は驚いた表情を浮かべて顔を見合わせた。しかしすぐに納得いった様子だった。

「にっくねーむというのが何かは解りませんが、これは私たちの真名(まな)なんですよ」

 まな? ……マナ、まなまな……どっかで聞いたことのあるような無いような…………えーと、たしかどっかの魔術師が……あっ!

「へぇー! 人間なのに真名を持っているなんて珍しいね。あ、もしかしておねいさん達って精霊なの!? ん〜〜……でもそんな感じしないよね?」

 三人はまたしても顔を見合わせていた。さっきよりちょっと長く時間がかかった。

「……あの〜、ちょっとどういうことかご説明していただけますかー?」


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