過去ログ - 京太郎「男子が混ざったっていいじゃないか」全国編
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10: ◆2nrFb/cgFg[saga]
2016/03/06(日) 21:04:13.71 ID:3gm8Hq2Do

 泣きそうな声でそう言い、福路さんは筐体から出ようとする。さすがに唐突過ぎただろうか。

 しかしそうでなければのらりくらりと逃げられてしまうに違いない。

 2年とはいえ人生の先達、麻雀の腕も思えば駆け引きで真っ向からどうにかできるとは思えないのだ。

 だから俺は福路さんの腕を掴み、強引に止める。久さんとの一件を経て、俺の傲慢さは増したのかもしれない。


「言い方が悪かったですね……。単純に気になっただけなんです。普段から閉じている目がどうなのか。

 そうしたら綺麗な碧眼でしょう? もったいないなって」

「綺麗……? 本当にそう思うの」


 我ながら強引な話運びだと思うが、こういうのは勢いが大事だ。このまま押してしまおう。

 何より小難しく考えるより、素直な気持ちを出す方が好きなのだ。だから本音で語りかける。

 だから一瞬の間も無くすんなり言葉が出るのだ。


「はい。透き通るようで、神秘的で……福路さんをより魅力的に感じさせる目だと思います」

「……本気なのね。私の目を綺麗って言ってくれたのはあなたで二人目よ」


 二人目。福路さんの最初の人に思わず嫉妬した。恋人でもないのに、そんな自分の心の動きに動揺する。ああ、なんて傲慢な。


「その人が羨ましいです。その人は福路さん心にずっといられる」

「ふふっ。上埜さん……久がその人よ?」

「え、久さんが」

「ええ。インターミドルのときに一度だけ対局したことがあるの。その時も何度か両目を開いていたから」


 そういえば久さんの高校以前の話は聞いた覚えがない。上埜と竹井で苗字も変わっているし色々とあったのだろう。


「そうだったんですか。……そういえば、俺との合宿での対局ではずっと両目開けてましたけど良かったんですか?」

「それだけ必死だったのよ?」

「じゃあそのぬいぐるみを取るときも?」

「そ、そうよ? いいじゃない欲しかったんだもの! それにね、須賀君なら目の色で私のことをイジメたりなんてしないって信じてたから」


 混ぜっ返した俺に向かって少しむくれながらも、甘えるような声音で信じていると言う。

 天性の男殺しではないだろうか。思わず襲い掛かりそうになるのを抑えた俺の理性は殊勲賞ものだと褒めてほしい。

 そんな俺の内心を知ってか知らずか、遠い目をして福路さんは語ってくれる。


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