過去ログ - 京太郎「男子が混ざったっていいじゃないか」全国編
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7: ◆2nrFb/cgFg[saga]
2016/03/06(日) 20:57:01.50 ID:3gm8Hq2Do

 咲の迷子癖もそうだが、麻雀が強い人にはオカルトじみた欠点があるものなのだろうか。

 思えば桃子の影の薄さもそうだ。……とはいえ憩さんや絃さんにそういった何かがあると感じたこともないのだが。

 そんな益体の無いことは今は置いておくとして。福路さんが使うのがマズイなら俺が使えばいいのではないだろうか。

 そう思いついた俺は早速そう提案した。遠慮する福路さんに強引に押し切り、連絡先を聞き出し俺の携帯電話でかける。


『もしもし、こちら風越女子学園麻雀部女子寮です。どのようなご用件でしょうか』


 どうやら女子寮の番号だったらしい。ここで俺が話してもいいがそれでは拗れそうだ。

 声をかけたくらいで壊れることもないだろうし、マイクをオンにして福路さんに応答してもらうことにした。


「寮監さんですか? 福路です。実は――」


 こうして無事に必要なものを確認することができ、買い物自体も問題なく完了した。

 いや、むしろ福路さんに食材の目利きやオススメの商品を教えてもらったりでいつもよりお得に買えたくらいだ。

 おかげで渡されたお金がいくらか余ってしまった。このままちょろまかして小遣い代わりにもらってしまおうか。


「今日はありがとうございました、福路さん。おかげで随分と助かりました――ん?」


 礼を言おうと福路さんを見やると、その福路さんはどこか一点をじーっと見つめている。

 その視線を追ってみると、どうやらゲームセンターに向いている。

 電気製品と相性が悪い福路さんではああいう施設を利用することも難しいのだろう。

 何かやりたいものがあってもできない、というのは寂しいことだ。だが、幸いなことに今は俺が隣にいる。

 場合によっては手助けできる可能性があるのだ、聞くだけ聞いてみることにした。


「福路さん、福路さん、どうかしました?」

「……え? あ、ごめんなさい須賀君。えっと」

「ゲーセンのほう見てましたよね。何かやりたいゲームとかあるんですか?」

「えっと、ゲームじゃなくて……あのぬいぐるみが、ちょっといいなって」


 そこまで距離があるわけでもなし、目を凝らして見ると確かにUFOキャッチャーに大きめのぬいぐるみが鎮座しているのが見えた。

 ……俺の感覚が正しければ、いわゆるぶさカワ系のゆるキャラ、だろうか。

 意外な気もするが福路さんの母性を思えば逆に腑に落ちる気もする、そんなぬいぐるみ。


「あれ……ですか? UFOキャッチャーなら俺でもできるかもですし、せっかくだから寄っていきましょう!」

「悪いわ。須賀君もお遣いの帰りなのに……」

「いいんですって! 実は福路さんのおかげで渡された金がちょっと余ったんです。

 駄賃としてもらっちゃおうかと思ってたんですけど……そんなせこいことするよりここでお礼に使う方がこのお金も喜ぶってもんです!」


 俺はそう言って福路さんを引っ張るようにゲーセンに向かう。

 実を言えばUFOキャッチャーはそこまで得意ではないのだが、まあ3,4クレジットもあればどうにかなるだろう。


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