過去ログ - 【安価コンマ】理不尽難度のダンジョンアタック その11【オリジナル】
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◆x8NsquFWLI
[saga]
2016/03/15(火) 13:47:16.84 ID:lFQ44GtWo
あなたが腰を据えると、女性はあなたへの興味を表に出した。
冒険者が普段、迷宮でどのように活動しているかを知りたいという。
断る理由は特に無い。
料理に舌鼓を打ちながら、あなたは語る。
女性は印象通り穏やかで、更に聞き上手でもあるようだ。
少々言いにくい苦労話や失敗談もするすると言葉になり、食事の席を彩っただろう。
とはいえ勿論、仲間達の事情や、あなたの姉に関する事を漏らすような事までは有り得ないが。
あなたが語り終えると、次は女性の番であった。
彼女は東の島国で生まれ、幼い頃に旅路の神より加護を授かったという。
無限に荷が持てるという規格外の異能を生かし、常人には困難な旅路を歩んできたようだ。
島国から船に乗り、雪に包まれた帝国を横断し、西の砂漠を遭難しながらも渡り切り。
更には大陸を南北に分断する大山脈の只中を駆け抜けて、南の荒野に一時居を構えもしたという。
隣に座り、時折鳴き声で相槌を打つ獣人とは、その時に知り合い意気投合したのだそうだ。
最近になって旅を再開し、今度は東側の海岸沿いをゆっくりと北上してきたのだと、女性は語った。
とんでもない道程である。
女性の言が正しければ、ここから北に上り帝国まで辿り着くと大陸を一周する事になってしまう。
途方も無い旅暮らしに、あなたは思わず感嘆の溜め息を零した。
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