過去ログ - 怨嗟叛逆のアサシネイション【Steins;Gate×ASSASSIN'S CREED】 -SS速報VIP

過去ログ - 怨嗟叛逆のアサシネイション【Steins;Gate×ASSASSIN'S CREED】

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109:名無しNIPPER[saga]
2016/03/28(月) 21:20:19.27 ID:Mkk40UpD0

「馬鹿野郎！」

何とか逃げのびた三人が集う隠れ家に骨を撃つ鈍い音が響いた。
岡部は力無く飛ばされ、壁に叩きつけられた。
そして即座に胸倉を掴まれ、もう一度殴られた。
岡部は抵抗も何もせずに親友の怒りを受けていた。
橋田もそれなりに筋力をつけていた為に、彼の拳に威力はある。
だがそれも何だかどうでもよくなっていた。

「何とか逃げられたから良いものの、あのまま僕らがやられてたらどうする気だったんだ！」

橋田がギリと服をきつく掴み、岡部を詰問する。
岡部は虚ろに橋田を見つめ返すだけだった。

「桐生を殺すのも大事だ、でももっと大事なものがあるだろ！」

岡部は何も答えない。もう何も答える気力がなくなっていた。
先程まで体を奮い立たせていたアドレナリンと責任を果たすという義務感もとうに失せ、支配するのはただただ無気力な感情だけ。

「倫太郎……まゆ氏が……まゆりが殺されて悔しいのはわかるよ。
　鈴羽がタイムリープマシンを壊したのだってまだ赦せてないのもわかってる。
　でもさ、でもさ！　やって良い事と、悪い事があるだろ！
　仲間を危険に晒すなって信条を忘れたのかよ！　なぁ！
　お前のせいだぞ！　鈴羽が重傷を負ったのも、作戦に失敗したのも！
　あの時お前が鈴羽を置いていかずにすぐ体勢を立て直せていたら、追う事だって出来たんだ！」

「俺のせい、か」

ぽつりと、岡部は呟いた。

「あぁ、そうだ！　お前のせいで失敗したんだぞ！」

空っぽになった頭に言葉の意味が浸透していく。同時にあの夏の記憶が脳裏に現れる。
失敗した。まゆりを救う事も、桐生を殺す事も。
結局自分は何一つ、碌な事が出来ていないじゃないか。
ひび割れたまま無視してきた心に、亀裂が再び入っていく。

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