過去ログ - 怨嗟叛逆のアサシネイション【Steins;Gate×ASSASSIN'S CREED】 -SS速報VIP

過去ログ - 怨嗟叛逆のアサシネイション【Steins;Gate×ASSASSIN'S CREED】

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112:名無しNIPPER[saga]
2016/03/28(月) 21:25:35.34 ID:Mkk40UpD0

もう時は未来にしか進まない。もうあの繰り返しを見る事も無い。
まゆりを殺した奴等を殺してやりたいと思った。でも、俺は自分が駄目だって事を忘れてたんだ。
殺しの技を教わって、妙な感覚も覚えて。だから何だよ。
結局俺は駄目じゃないか。まゆりを、大事な幼馴染を救えない奴が何をやっても駄目なのを忘れちゃ駄目じゃないか。
何を調子に乗っていたんだ。俺は。アサシンブレードを持って何になる？　俺自身が駄目なのに何をしている？
俺はまた失敗したのか？　また何も出来ないのか？
俺は、俺は何でこんな事をしてるんだ？

思考がそこに行きつくと急に笑いの感情が失せた。
痒みも、何もかもが消え去って、体の力が抜けていく。
そしてふと、岡部は体に温もりを感じた。
温かく、柔らかい感触に包まれている。
視線を横に動かすと、くしゃくしゃとした癖毛が見えた。

「父さん……もう、十分だよ」

耳元で鈴羽の声がした。それからようやく、自分が鈴羽に抱きしめられているのだと岡部は悟った。

「鈴羽……」

「岡部倫太郎を、もう責めないで」

「でも鈴羽」

「これ以上は、駄目だよ……」

鈴羽は声を震わせ、折れている腕にも力を籠めて必死で岡部を抱きしめている。
悲痛に乞う娘と狂った親友を見て、橋田は何も言えなくなってしまった。
そして大きく溜息をつき、岡部に背を向けてデスクトップの前にどかっと腰を降ろし、眼鏡を外して目頭を押さえて黙りこんだ。

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