過去ログ - 怨嗟叛逆のアサシネイション【Steins;Gate×ASSASSIN'S CREED】 -SS速報VIP

過去ログ - 怨嗟叛逆のアサシネイション【Steins;Gate×ASSASSIN'S CREED】

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129:名無しNIPPER[saga]
2016/03/28(月) 21:46:25.77 ID:Mkk40UpD0

岡部は自身の荷物を持ち、未だ引き留めようとする鈴羽と、複雑な感情を帯びた視線を送る橋田を無視し部屋を出た。
そしてすぐに個室に向かい、荷物を放り投げベッドに体も投げた。
二人の視線を感じる事が無くなり、岡部は安堵の溜息をついた。
ベッドに横になってから初めて気付いたが、体中で鈍い痛みがしていた。
関節、筋肉、骨に至るまでが痛みのハミングをしている。
もう疲れ切っていた。体も、心も。

何もかも忘れたい。今も過去も未来も。
早く寝てしまおう。そうすれば寝ている間だけは何も考えなくて良い。
そう思い、睡眠薬を乱雑に飲み、枕を頭に当てて寝ようとした。
疲れのおかげで薬が効くよりも早く寝れるかと思ったが、全く寝れなかった。頭に蔓延る思考が寝る事を許してくれなかった。
考える事は作戦の事でも桐生の事でもなく、何故か鈴羽の事だった。

何なんだ、あいつは。
タイムリープマシンが壊れた時も、作戦の前も、後も、奴は何でそんなに俺に縋ろうとするんだ。
俺に何を期待してる。俺に何を求めてる。俺に何を背負わせたい。
俺に期待しないでくれ。俺に求めないでくれ。俺に背負わせないでくれ。

膝を抱え、目に腕を当て、苦悶するように寝がえりを打つ。
早く薬が効いてくれと願いつつ、脳裏に浮かぶ鈴羽の目の幻影を必死に掻き消そうとした。
それでも彼女は自分を見つめ続けてくる。
何なんだ。俺が何をしたっていうんだ。
頼むから、俺に構わないでくれ。今だけで良い。頼むから。

薬が効き始め、懇願と共に意識が暗闇に溶けていく。
フェードアウトしていく意識の中、最後まであの瞳は岡部倫太郎を見つめ続けていた。

――

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