過去ログ - 怨嗟叛逆のアサシネイション【Steins;Gate×ASSASSIN'S CREED】 -SS速報VIP

過去ログ - 怨嗟叛逆のアサシネイション【Steins;Gate×ASSASSIN'S CREED】

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130:名無しNIPPER[saga]
2016/03/28(月) 21:46:51.79 ID:Mkk40UpD0

「痛っ……」

岡部が部屋に行った後、鈴羽は未だ憮然としていた父を宥めて共に荷物の整理をし、自分に割り当てられた部屋に入っていた。
服を着替えた彼女は、腕の添え木を外し、折れた部分を診ていた。手首付近を手ひどくやられてしまっている。
感覚的にどうやら綺麗に折れた訳ではないらしい。
これは治療が長引くな。彼女は溜息を漏らした。

「後遺症とか、残らないと良いけど」

一抹の不安を呟き、もう一度処置し直した後、一人で何とか服を着替えた。
ベッドに腰かけ、左腕で自身の体を抱きしめた。
抱きしめた自身の体は震えていた。

今度こそ、本当に死ぬかと思った。
岡部倫太郎が桐生萌郁を殺さんと逸り、ラウンダーの集団を前に一人残された。
自身に技術が備わっているのは自負している。しかし、数と体格の差、そして火力の前ではやはり無力だった。
あの時、父が車で突っ込んで来てくれていなければ死んでいたかも知れない。
でも、あのくらいの死線は何度もを越えてきたはずだった。この時代にタイムスリップする時だって命懸けだった。
じゃあ何故、今までこんな事何度もあったのに、どうしてこんなに体が震えているのか。

今までに任務の中で恐怖を抱く事は確かにあった。
でも今回の恐怖はまた異質なものだった。

岡部倫太郎はやはり自分を怨んでいる。
この事実を叩きつけられたような気がしたからだ。
彼は自分を見捨てた。岡部倫太郎は自分を死んでも良いと思っている。
そんな考えが、頭の中でふつふつと。

無論、あの時は桐生萌郁を殺す千載一遇のチャンスだった。
だからこその判断だったと言えるかも知れない。
でも、あの時の彼の言葉。

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