29:名無しNIPPER[saga]
2016/03/13(日) 23:23:15.76 ID:TCek/1Gz0
ツツーッ
眼帯(ふむ、身はナイフを入れるとすっと切れる……美しい断面だ)
眼帯(ハーブの香りがふわっと香る。素晴らしい火加減だ)
眼帯「……」スッ
眼帯(オリーブオイルでしっとり仕上げられたサーモンは、口に入れるとほろりと解ける。瑞々しいサーモンの旨みを、十分に生かしているな)
眼帯「使ったのは岩塩……ヒマラヤ産だな」
男「正解」
青年「!?」
眼帯「しかし、それだけではないな……このハーブに紛れた香しい香り。これはただのレモンではない――塩レモンだな」
男「……さすが」
眼帯「なるほどな。このまろやかな酸味が、ハーブと見事に調和し、このサーモンを一層美しいものとしている」
眼帯「見事」
若者「っふぅ〜……」ホッ
青年(な、なんだ……何が起こってたんだ?)
少女【あの人、色々とアレだけど、品を見る舌は超一流で、本当にすごい人なんです。言いませんけど。絶対。】スッ
青年「へえ、そうなんだ……」
青年(って言うより、高校生くらいの子に「色々とアレ」って言われてるんだな)
眼帯「では、私はここで失礼しよう。また会うだろうな、小僧」
青年「あ……はい、どうも……僕は青年です」
眼帯「では、さらば」
ガシ
眼帯「!?」
少女【お会計】スッ
眼帯「あっ!」
男「……」
若者「……」
青年「……」
眼帯「クク……やるな、私の隠密歩行を見破るとは」スッ
青年(……今絶対素の声出てたよな?)
眼帯「では、さらばだ」ガン!
男「そのドア、引くんじゃないよ……押して」
眼帯「……で、ではさらばだ!」ダッ バタン
若者「あー緊張した……」
青年「締まらない人ですねー」
男「舌は本当にすごいんですけどね。性格がどうもアレなんです」ハハ
若者「まじで品を見てる時はくっそ怖いんすよ……あの厨二病」
青年(はっきり言っちゃったよ)
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