過去ログ - 男「とある街の小さな店」
1- 20
31:名無しNIPPER[saga]
2016/03/14(月) 15:59:50.37 ID:uHUyyi500
青年「……」ザッ

青年(初めてだな、嵐が来てから……故郷に戻るのは)

青年(お、ここからはバスに乗り換えないと)

プシューッ

青年(一応バスは通ってくれるんだな、他のお客さんが行く訳ないけど)

ゴトンゴトン……

青年「……」

プシューッ…… 

青年(……着いた。ここからは歩かないとな)

青年「静かだなぁ……」テクテク

青年(今日は随分と暖かいなぁ。長袖じゃ少し暑いくらいだ)

青年(そろそろ見えてくるかな?)

青年「……ああ」


雑草が生い茂る道。

ぼろぼろに崩れてしまった家々。

以前とは変わってしまった、景色。


青年「……ここから先は進めないな」

青年(家があった場所、見たかったけどな……こっちに行くか)スタスタ

青年(桜の木は、なんとか全滅は防げたみたいだ)

青年(ああ、この辺りはまだ家の原型が残ってるな。……と言っても、もう引っ越してるだろうけど)

青年(あの嵐で、何人が生き延びたんだろう)

青年(ニュースを見た時は、本当に目を疑ったなぁ)

青年「……」

青年「!」バッ

青年(奥の方に見えた、あれは――)ダッ

青年「……!!」

青年「は、はは……」

青年(一本だけ、桜が咲いてる……!)

青年「……父さん、母さん、みんな……」

青年「……」

青年「ただいま」

青年(……僕はもう大丈夫です。これからは、またここに顔を出しに来るよ)

青年(だから、ゆっくり……花見でもして、のんびりしててくれ)

青年(……もう戻るね。次はまた、大好きだったあの景色を見に)

青年(この桜みたいに、強く生きるよ)

青年(それじゃ)

青年「行ってきます」


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
80Res/53.50 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice