過去ログ - 男「とある街の小さな店」
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51:名無しNIPPER[saga]
2016/03/18(金) 20:46:47.12 ID:J/Ey5hd60
カランカラーン……

眼帯「ここの紅茶は絶品でな」

青年(落ち着いた雰囲気だな。「紫苑」に似てるかも)

眼帯「さて、何から話そうか」

青年「男さんはすごい完璧な人ですけど、昔はどんな人だったんですか? それと、少女ちゃんとの関係も」

眼帯「……そうだな。まずは「紫苑」のルーツでも聞かせてやろう」

眼帯「男はもともと、料理が苦手だった。しかし、一人の女性と出会い、料理をするようになった」

青年「へえ、意外……」

眼帯「昔の奴はこいつのような性格でな。紹介しておいてなんだが、ひどく緊張していてなかなか滑稽だったぞ」クク

若者「えっ、俺!? マジ!?」

眼帯「その女性――女が、非常に料理が上手くてな。奴の料理は、彼女の影響を大いに受けている」

眼帯「……まあ、そして彼らは結ばれた訳だ。男は就職、女は料理研究家になろうとしていた」

眼帯「しかし、運命とは酷なものだ。女は重い病気にかかり――そして息を引きとった」

眼帯「……」スッ


男『眼帯。俺さ……弟子入りして、料理の修行をして、自分の店を立てようと思う』

眼帯『!』

男『どんなに辛くても、ボロクソになっても良い……このまま、彼女が居た証が無くなるのなんて、嫌だ……嫌なんだよ』

眼帯『……ああ、そうだな』


眼帯「――「紫苑」は、男が彼女の味を引き継ぎ、広めるために作ったものなのだよ」

若者「……お師匠さん」

眼帯「さて、少女の事だったな。あれは奴の義理の妹だ。よく懐いていてな」

青年「ああ、だから鍵持ってたのか……何で言ってる事分かるんですかね?」

眼帯「――「感じる」ものがあるからだろうな」

若者「いやそういうの良いですから」

眼帯「……知らん、私に分かる訳ないだろう!」

若者「えぇ……」

眼帯「しかし、あのやんちゃ坊主が、随分と紳士になったものだ……クク」

青年「想像できないなぁ」

眼帯「傑作だ。まるで乙女のようだぞ? 店の名の理由だが、紫苑の花言葉は――」ブーッ

眼帯「ん? 失礼」ピッ

「あー、眼帯さん? 今日インのはずですけど?」

眼帯「……! そ、そうでしたっけ!? すみません、すぐ行きます!」

青年「」

眼帯「……」ハッ

眼帯「きゅ、急用が出来た。お代は置いておく。ではさらばだ!」バッ

若者「うっそだろあの人……でも、お師匠さんの事が知れて良かったっすよね」

青年「……うん、そうだね。そう言えば、結局どんな意味なんだろ? 後で調べてみようか」


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