9:名無しNIPPER
2016/03/11(金) 13:15:42.68 ID:4mRxi4n+0
赤信号でバスが停まり、吊り革を握る手に自然に力が入ってしまう。
P(くそ...タイミングが悪いな...)
彼女は本当にあの店にいるのだろうか?
家に帰ったのでは?
それともどこかを当てもなく彷徨っているのではないか。
そんな不安が頭をよぎる。
ふと車窓に目を向けると、リードをガードレールに繋がれた雑種犬が目に入った。
買い物をしている主人を待っているのだろう。犬はスーパーマーケットの入口をじっと見つめ、時折耳をピクピクさせていた。
P(なんだか今の俺と似ているな...)
待つ者と、向かう者。立場こそ違えど、両者の持つ独特のそわそわした雰囲気と
"早く会いたい" という共通するであろう焦燥を持っていることに、やけに親近感を覚えた。
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