過去ログ - みほ「ごめんね、エリカさん。さようなら、逸見さん」【ガルパンSS】
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20:しぃな ◆CB7w5rWLD6[saga]
2016/03/11(金) 23:33:17.29 ID:1urZWwmh0



彼女はそれだけ言うと今度こそ歩き出した。

私も後を追おうとするが、しかしその一言は、私を釘付けにさせるには充分だった。
その一言は、確実に終わりを告げる言葉だった。

どんどん遠くなっていく人影。声もあげられず、脚も動かない。
焦る気持ちに、私はカラダが震えていた。ガクガクと、膝もわらっていた。

あと少しで見えなくなってしまうその前に、なんとか右足は前に出た。
しかし次の一歩が出ずに地面に崩れ落ちた私は、膝に激痛を感じる。
どうやら膝を擦りむいたようだ。傷が痛む。血は雨で滲んでいる。
痛みで我に帰って咄嗟に前を向くが、さっきまで話していた人はもういなくなっていた。
消失感に動悸が止まらなくなる。焦りと不安は更に大きくなる。

手を伸ばす。さっきまでそこにいた人に向かって。さっきまで私を好きでいてくれたあの子に向かって。

届かない。届かない。届かない。

このやりようのないキモチは一体どこに向かえばいいの?

ねえ、教えてよ。

あぁ。雨をこんなに一身に受けたのはいつ以来だろう。
傷が沁みる。躯が震える。息は白く。涙は雨と一緒に流れた。
制服も泥だらけ。あぁ、こういう時に灰色はいい、なんて。
どうでもいいことを頭の片隅でチラと考えた。





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